前回ちらりとだけお見せした船内。今回は、じっくりと中を散策してみましょう。
改めまして、船の名称はRegent Seven Seas Explorer。
世界的に名高いアメリカのクルーズ会社「Regent Seven Seas Cruises」が誇る、ラグジュアリー船、つまり最高級の船なんです。「Regent Seven Seas Cruises」は、Explorer以外にも、Voyager、Mariner、Navigatorと、計4隻のラグジュアリー船を有し、世界の名だたるセレブリティたちが、これらの船でクルーズを楽しでいます。2020年には「Splendor」という新しい船もデビュー予定。
「Regent Seven Seas Explorer」は、長さは735フィート(約224m)、幅102フィート(約31m)。最も広くて豪華な「REGENT SUITE」から「VERANDA SUITE」まで客室は全15タイプで、その数なんと375、最大で750人のゲストを収容可能。でも、クルーズ船の中には2000人くらいのゲストを運ぶような大型船もあるので、これでも船の規模としては中くらいなのだそう。一方、船で働いているスタッフは542人。単純計算しても、1部屋につき1人以上のスタッフがいることに。この人数からも、ホスピタリティの高さがうかがい知れますよね。実際、きめ細やかなサービスが行き届いています。
では、早速中に入ってみましょう!
DECK4
船では階層を“DECK”と表します。つまり、DECK4=4階のこと。Explorerの場合、DECK4からDECK14がゲストエリアとなり、先ほどの階段を上って船に入ったところ、すなわちエントランスは4階になります。
まず目に飛び込んでくるのが、この階段と、3メートルぐらいありそうな大きなシャンデリア。優美な曲線を描くエレガントなデザインにシックな色合い。とても上品で、まさに大人のための社交場、という印象です。映画のワンシーンのようですよね。
この階段を背にして、船の前方部へ進んで行くと突き当たりにあるのが、
音楽、ダンス、ミュージカル、手品、トークなど、毎晩さまざまなショーが繰り広げられる劇場です。華麗なパフォーマンスを見せてくれるダンサーやシンガーたち、ショーに出演しないときは、スタッフとして船の中で働いています。歌やダンスを見てファンになったゲストがディナーに誘う、なんてこともあるのだとか。
2階席もあります。それにしても、船の中とは思えません……。
劇場の手前にあるブティックは夜の7時〜11時までオープン。カジュアルウエアから、ジュエリー、バッグまで、メンズもレディース存分な品揃え。
日本未発売のコスメを探すのも楽しいですよね。お土産にもぴったり。
Explorerのオリジナルグッズも充実しています。
日焼け止めや歯ブラシなど、日用品も販売されているのでご安心を。
ブティックを出て、エントランスの階段脇を通り過ぎて船の後方へ進むと、右側にラウンジ、左側にカジノ。奥にはレストランがあります。
重厚な大人の雰囲気のラウンジ。午後5時にオープンし、夜遅くまでお酒を楽しめます。ラウンジ内にあるミニステージでは、連夜生演奏が。音楽に合わせて、ステージの前で踊りだすゲストも!
ラウンジの向かい側にあるカジノ。こちらは夜の7時オープン。ゲストがいればかなり遅くまで空いている様子。一夜で億万長者も夢じゃない!?
朝は8時~9時半、夜は6時半~9時半で食事が楽しめるレストラン、「COMPASS ROSE」。こんなにゴージャスな内観なのに、ディナーでも予約不要なので、気軽に利用できます。
DECK5
エントランスの豪華な階段を上ったところにある5階は、レセプションやコンシェルジュデスク、ビジネスセンターなどが集うロビーエリア。朝から夕方まで、気軽にコーヒーやスナックが楽しめる「THE CAFE」やラウンジ、レストラン「PACIFIC RIM」、最上級の施術を受けられるスパ「CANYON RANCH」などがあります。
船の中には、ラウンジが3つ。先ほどご紹介した、4階の「EXPLORER LOUNGE」がもっともコンパクトで、「MERIDIAN LOUNGE」は中くらい。ここにもステージがあって、夜毎にさまざまな演奏が繰り広げられています。もちろん、飲み物やスナックは全て無料! とにかくこの船、お酒が進んで危険です(笑)。
「CANYON RANCH」は、名だたる豪華客船や高級ホテルを中心に展開している、世界的にも有名なスパ。エステやネイル、ヘアカットなどは有料になりますが、中にあるプールやジム、スタジオなどは、ゲストは自由に使えます。スタジオでは、ストレッチやヨガなど、毎日さまざまなレッスンが行われています。
ネイル&ヘアサロンエリア。Explorerには数週間滞在するようなゲストも多いので、こちらでヘアカットをして、身だしなみを整えているようです。まさに至れりつくせり。
エステやプールで、ほてった体をクールダウンできるアイスルーム。近くには、檜造りのサウナもありました。
まるで海と一体化しているかのような「INFINITY POOL」
「CANYON RANCH」内の階段を上ってアッパーエリアへ行くと、ゲストが自由に使えるジムとスタジオがあります。
海を眺めながらのエクササイズ、最高ですよね! ランニングマシーンだけでなく、エアロバイクや、上半身、下半身をそれぞれ鍛えられるマシーン、など、ジムフリークも納得のマシーンが勢ぞろい。スタジオには、ダンベルやバランスボール、ストレッチチューブ、サンドバッグなど、アイテムも充実しています。
DECK6~9 客室エリア
いよいよ客室のご案内。でもその前に……。ご覧ください。Explorerは、廊下も階段もエレベーターも、とにかく気品にあふれています。
ため息が出るほど美しい階段。数階の移動なら、あえてこの階段を歩きたくなります。
長い廊下は車椅子でも通れるゆったりとした幅の広さ。手すりがついているので、ご高齢の方でも安心。
エレベーターもご覧の通りエレガント。各施設のフロアも表示されているので、「何階だっけ?」と迷うこともありません。
今回、私たちが泊まらせていただいたのは、「SUPERIOR SUITE」というお部屋。連日、即寝落ちしてしまったフッカフカのベッドを始め、充実の設備に大満足♡
広さだけではなく、バスルームや家具の素材の高級感や、設備の充実具合に気絶! さらに、あちこちに大きな引き出しがあるので、スーツケースから出した服や小物などは全て収納でき、“見た目にごちゃっとして見苦しい”、なんてことは皆無。むしろ引き出しがありすぎて、どこにしまったのかわからなくなるほど(笑)。ちなみに初日の夜「あれ? スーツケースがない! もしや持っていかれた?」とプチ騒ぎになりましたが、ベッドの下に格納されておりました。スーツケースが出っぱなし、開きっぱなしって、エレガントとは程遠いですもんね、納得。
また、高級ホテルでも「惜しい!」と感じることの多い、お風呂のお湯の温度調節やシャワーの水圧。そしてドライヤーの風圧や風量まで申し分なし! 髪が多く、ダイ○ン以外のドライヤーではなかなか乾かない私の髪も、しっかりと乾かしてくれたドライヤー、ありがとう(笑)。
各フロアには、「LAUNDRETTE」、つまり自分で洗濯&乾燥ができる、ランドリーコーナーがあります。洗剤や柔軟剤も用意されていて、24時間いつでも好きな時に使えるんです。アイロンもあるって、さすがですよね。スーツケースの中でシワが寄ってしまったシャツも、アイロンをかけてパリッとさせてディナーに臨めます。セルフが面倒という方には、有料にはなりますが、一般的なランドリーサービスもありますのでご安心を。
DECK10
10階には客室のほか、レストランが2つ。
イエローゴールドをキーカラーにしたレストラン、「CHARTREUSE」。きらびやかで華やかな印象のこちらで提供されるのは、モダンフレンチ。ランチは12〜13時半。ディナーは要予約で18時〜21時(予約スタートの時間)。予約の必要な3つのレストラン( CHARTREUSE、PRIME 7、PACIFIC RIM)はとても人気なので、船の予約と同時に予約してしまったほうが良さそうです。
「CHARTREUSE」の向かい側に位置するステーキハウスが「PRIME 7」。こちらは基本的にディナーのみで、予約が必要です。グレイッシュシルバーを基調にしたより落ち着いた雰囲気の中、ステーキを始め、蟹、エビなどがいただけます。
「CHARTREUSE」と「PRIME7」の奥には「THE STUDY」という個室が。ここは「REGENT SUITE」に宿泊するゲストなどが優先的に、プライベートダイニングとして使用できるのだそう。この日はバースデーパーティがあるそうで、風船で可愛らしくデコレーションされていました。
DECK11
メインのプールエリアであり、開放感抜群な11階。真ん中にあるプールを囲むようにビーチチェアが置かれています。ゲストがいなくなると、ささっとメイキングして、新しく乾いたマットとバスタオルにチェンジしてくれるあたり、さすがです!
夜は泳げませんが、ライトアップされていて、これまたムーディ。
実は滞在中いちばんお世話になったのがこちら。カジュアルに食事ができる、プール脇にあるビュッフェ形式のダイニング、「POOL GRILL」(Breakfast6:30〜9:30、Snack Time11:00〜16:00)と、その奥にある「LA VERANDA」(Breakfast7:00〜10:00、Lunch12:00〜14:30、Dinner18:30〜21:00)。デッキ席もあり、海上を渡る風を感じながらの食事も楽しめます。LA VERANDAは夜になると「SETTE MARI AT LA VERANDA」と名前を変えてランクアップ。昼間とは違った雰囲気を味わえます。
Explorerでは、船旅を楽しみながら、料理の腕を磨くこともできるんです。それが、ゲストが本格的な料理を学ぶことができるカーリナリー・キッチン(要予約)。美しい景色を眺めながら料理を習えるなんて、それだけで最高!
小説、画集、写真集、ガイドブックなど、さまざまなジャンルの本が置かれているライブラリー。気になる本は部屋に持ち帰って、じっくりと読むことも可能です。
「CONNOISSEUR」とは、鑑定家、目利き、玄人という意味。いわゆる、「通」ってことですね。シガーバーとして、世界各国のシガーが楽しめます。
船内にある3つのラウンジの中で、一番大きいのがこちら。その名の通り、海を見渡すことができます。
ちなみに、SMOKING AREAも11階。しっかりとガラスで囲われているので、吸う人も吸わない人も快適に過ごせます。
DECK12
最上階の12階はスポーツエリア。中抜けになっていて、11階にあるプールを見下ろすことができます。ぐるっと1周できるジョギングトラックや、パドルテニス、ミニゴルフなどを楽しめるコーナーも。
DECK14
いよいよ最上階となる14階(13階はスタッフエリアのようです)。こちらには、Explorerが誇るラグジュアリーを極めた最高級の部屋、「REGENT SUITE」などがあります。今回は特別に見せていただいた「REGENT SUITE」の室内をチラリとご紹介します。
「REGENT SUITE」は広すぎて、いくつ部屋があるのかもはや不明。本気で迷子になりそうです。調度品も素晴らしく、うっかり壊したら大変なので、忍び足でそーっと部屋を後にしました。
さて、いかがでしたでしょうか? 最後までお読みいただきありがとうございます。正直、読むだけでも疲れますよね(笑)。実際、端から端まで歩いて回るのもかなり大変。どこに何があるって理解するのに数日かかりました。クルーズ船はこのようにとても広いので、船の中では歩きやすい靴がオススメです。オプションツアーなどでも結構歩くので、履き慣れたスニーカーを最低一つはご持参ください。もちろんディナー用に、女性ならヒール、男性はフォーマルな革靴のご用意もお忘れなく!
※ショップやレストラン、カジノのオープン時間は変更になることがあります。あらかじめご了承ください。
Photo・Edit・Text : Yukari Tachihara